お悔やみの言葉の文例
お悔やみの言葉を述べるときは、忌み言葉を避けるというしきたりがあります。不幸が度重なることを意味する忌み言葉と、同じことが二度くり返すという意味の重ね言葉も、忌み言葉として避けられています。
お悔やみの言葉で用いてはならないことば
かさねて・かさねる・いま一度・もう一度・また・ふたたび・再三・再度・なお・さらに・かつまた・またまた・かえすがえすも・重ね重ね・重々・たびたび・くれぐれ・皆々様など
喪主や遺族に対してのお悔やみは、通夜に述べるのが礼儀で、葬儀（葬式）では、目が合っても黙礼程度にしましょう。また、生前の病状などをくどくど聞くことは失礼ですので、とくに注意しましょう。
故人が父親の場合/挨拶例文
その①
このたびはまことにご愁傷さまございます。あまり突然のことで言葉もございません。一時は大分よくなられたようにお伺いし、家内ともよかったと申していたのでございますが……。さぞお力落としのことでございましょう。どうぞお心を強くお持ちくださいますように……。
その②
まことにご愁傷さまでございます。何とお慰め申し上げてよいやら……。あんなにご立派な方を……実に残念です。この度の私の再就職に際しましては大変なご尽力をいただきまして、いつかはご恩返しを、と思っておりましたのでございますが…。新しい職場で精一杯頑張ることが、そのお志にお報いすることになると存じます。どうぞお心を強くお持ちになって下さいませ。ご焼香をさせていただきます。
故人が母親の場合/挨拶例文
その①
皆様さぞお力落としのこととお察しいたします。そんなにお悪いとは少しも存じませんで……、お見舞いにも上からず失札いたしました。お忙しい折におじゃまとは存じましたが、とりあえずお悔やみに参上いたしました。お役に立てますことがございましたら、お手伝いをさせていただきたいと存じます。何なりとお申しつけくださいませ。
その②
このたびは思いもよりませんことで……。先月○○会でご一緒させていただい折には、あんなにお元気でいらっしゃいましたのに……。ほんとうに人の命と申しますのははかないものでございます。私もすっかり淋しくなってしまいます。残念でなりません……。
故人が高齢者の場合/挨拶例文
毎朝お元気なお姿を拝見いたしまして、何てお丈夫なおじいさまでしょうと、主人とも話しておりましたのでございますが……突然……。いつぞや私がバラの花についた虫のことで困っておりましたら、「ちょっと貸してごらんなさい」とおっしゃって、とてもお上手に手当てしてくださって……本当に気さくな方でいらっしゃいました。ご長命とはいえ、まことに残念でなりません。
故人が子供の場合/挨拶例文
その①
あまりのことでびっくりいたしまして、取るものも取りあえず駆けつけました。本当に親御さまのお嘆きはいかばかりでございましょう。同じ子を持つ親といたしまして、心中お察し申し上げます。さぞお力落としのことでございましょうが、どうぞお心を強くお持ちになってくださいませ。ご焼香をさせていただきます。
その②
可愛いい盛りでございましたのに……申し上げる言葉もございません。掌中（しょうちゅう）の珠（たま）をなくされた親御さまのお気持ちを思うと………。しかし、早く天に召された子は、それだけあの世で神様に近い存在になるとも聞いております。お力落としのこととは存じますが、どうぞお心を強くお持ちになってくださいませ。
故人が親戚の場合/挨拶例文
その①
とにかく大変だったね。この間お父さんに会った時、もうダメかもしれないなんて言うから、馬鹿なことを言うなと怒鳴りつけてやったんだが…・…何とか再起させてやりたかった。君の悲しみも本当によくわかるが、これからは君か大黒柱だからね。お母さんをしっかりと支えていってあげなさい。叔母さんも、もうすぐ来るから。
その②
せめて来年の春頃までは大丈夫だと思っていたんですけど。ご病気が長かったからあなたも大変だったでしょう。本当によくお尽しになったんですから、きっとお義母さまも感謝をしながら旅立って行かれたと思いますよ。
故人が友人の場合/挨拶例文
その①
まことにご愁傷さまでございます。突然のことに驚いております。先日珍しく、近くを通ったからとおっしゃられて、事務所のほうへお寄り下さったのです。その析に、今度のクラス会は○○先生も呼んで盛大にやろうなどと、話し合ったりいたしましたのに。何かお役に立つことがございましたら何なりとおっしゃって下さい。クラスの者達全員、そのつもりでおりますので。
その②
実に残念です。昨年のクラス会にご一緒した折に、ちょっと胸のあたりが痛むんだとおっしゃっておられたのですが、まさかそのような大病を抱えていらっしゃったとは。さぞお力落としのことと存じます。本日は私が代表して参りましたが、明日はクラスの者達も参ります。お子様の将来のことなどでお困りのことがございましたら、皆、何かのお役に立たせていただきたいと申しておりますので、どうぞご遠慮なさらずに、おっしゃって下さいませ。
故人が上司の場合/挨拶例文
その①
○○株式会社の○○課でお世話になっておりました○○でございます。このたびはまことにご愁傷さまでございます。先日お見舞いにお伺いいたしました折には大変血色もよろしく、来月には退院をしていっしょに仕事ができる、とおっしゃっておいででしたのに。私どもも途方に暮れるばかりでございます。何かお役に立つことがございましたら、何なりとお申しつけくださいませ。お手伝いをさせていただきます。
その②
突然のことで、お悔やみの申しあげようもございません。仕事には大変に厳しい方でございまして、私も何度か叱られたこともございますが、今となりましてはそれも懐かしい思い出になってしまいました。もうあの声も聞くことができないのかと思いますと……残念でございます。
故人が事故死や殉職の場合/挨拶例文
交通事故
突然のお知らせに、取るものも取り敢えずに飛んでまいりました。まったく信じられない思いで……ゆうべ笑ってお別れしたばかりでございますのに………。お心のうち、お察しいたします。
海での遭難
このたびは思いがけぬことで……まことにご愁傷さまでございます。ご主人様がか船にお乗りになることは伺っておりましたので、航海のご無事を朝晩お祈り申し上げていたのでございますが・……。心よりご冥福をお祈り申し上げます。
殉職
いかに仕事とは申しながら、ベテランの私どもでさえたじろぐような火の中に……。子供達が全員無事脱出できましたのは、すべて○○君の活曜によるものです。しかし、○○君がこのようなことになってしまう結果となりましたことに、残念でなりません。○○君の尊い死に報いるために、私ども署員一同、一層職務に精励いたす覚悟でございます。
故人が自殺（自死）の場合/挨拶例文
今思いますと、思い当たるふしがないわけではないのでございますけれども……。しかし、普段から、私どもの前ではいつも明るく振舞っておいででしたので、これほどまでに苦しんでいらしたとは……。どうしてそのお心の内を察して差し上げられなかったのかと、実に慙愧（ざんき）に堪えません。本日はお詫びの気持ちもこめまして、お悔やみに上がらせていただきました。突然のことに、ご両親様もさぞおカ落としのことと存じますが、どうぞお心を強くお持ちになってくださいませ。